検証:玉城県政8年の
公約と実績(18項目)
現職・玉城デニー知事が2018年・2022年の知事選で掲げた公約のうち主要18項目を、県公式資料・統計・複数報道と突き合わせました。良い・悪いの評価はしません。「いま、どうなっているか」だけを記録します。最終更新 2026-08-19。
- 玉城陣営は「公約291項目中287項目を予算化・実現率98.6%」としていますが、これは「着手・予算化」を基準とする陣営の自己評価で、本ページの「達成」(結果が出たか)とは定義が異なります(出典:政策集2022)。
- 最低賃金・日米地位協定・首里城復元(国営公園事業)などは権限や実施主体が国にあり、知事一人の達成/未達成として読むと誤ります。該当項目に付記しています。
- 判定は公約進捗判定(達成/進行中/未着手/財源不明/虚偽)を使い、結果が確定的に実現しなかったものは補助ラベル「実現せず」で示します。
結果の一覧
公約18項目の判定内訳
(計18項目。選定基準:2018・2022両選挙の中心公約+報道で言及頻度の高い項目。ここに無い公約はトラッカーの未検証リストで管理し、順次追加します)
達成(5)
こども医療費の無償化拡大 達成
公約(2018・2022):通院医療費を中学卒業まで窓口無料化。→ 2022年4月から中学卒業まで現物給付化、全市町村で実施。
少人数学級(中3まで) 達成(制度面)
公約(2022):中学3年までの少人数学級実現。→ 県独自措置として2021年度以降、小1・2は30人、小3〜中3は35人上限の学級編制を導入。教員不足時は国標準に戻す運用も想定と報道されており、教員確保が運用上の制約。
ヤングケアラーの実態調査・支援 達成
公約(2022):実態調査と支援開始。→ 2022年に約13.6万人対象の実態調査(該当推定5.5%)、2023年度に相談窓口・サロン設置、2024年3月に県支援推進方針を策定。
出典:県支援推進方針PDF/琉球新報
進行中(9)
子どもの貧困対策 進行中
公約(2022):貧困対策基金を30億円→60億円へ倍増。→ 基金倍増は実施(第2期約60億円)。小中学生の困窮世帯割合は2015年度29.9%→2024年度21.8%(10年で−8.1pt)。ただしひとり親世帯の困窮割合は54.9%(高校生調査)。調査ごとに対象・貧困線が異なり単純比較には限界があります。
観光の回復 進行中
公約(2022):コロナからの観光再生。→ 入域観光客数は2019年1,016万人(過去最多)→2020年374万人→2024年966万人(2019年比95.1%)。県計画の目標「2030年度1,200万人」は期限前・未到達。
学校給食費の無償化 進行中
公約(2022):学校給食無償化。→ 全県一律の無償化は未実施。2025年度から中学生給食費の2分の1相当を市町村に補助(11億円)。無償化済みは23市町村で、市町村間の保護者負担差が残る(実施主体は市町村)。
中高生のバス・モノレール通学無料化 進行中
公約(2018):中高生のバス通学無料化 →(2022)段階的拡充。→ 2020年10月に高校生、2021年度から中学生へ拡大して実施中。ただし対象は住民税所得割非課税世帯に限定(2023年度認定 約4,471人)。全中高生の無料化には未達。
出典:県 バス通学費等支援事業/琉球新報
待機児童ゼロ 進行中
公約(2018・2022):待機児童ゼロ/解消。→ 2015年度2,591人→2022年439人(当時全国最多)→2025年4月171人(速報値・10年連続減)。大幅減だがゼロは未達。
観光目的税(宿泊税)の導入 進行中
公約(2018・2022):観光・環境協力税/観光目的税の導入。→ 2期8年内には未導入(コロナで検討中断の経緯)。2027年2月施行見込みと報道され、施行は3期目以降にずれ込み。
出典:沖縄タイムス(報道ベース)
首里城の再建 進行中(計画どおり)
公約(2022):首里城復興プロジェクト推進。→ 正殿は2026年秋復元完了・11月23日一般公開予定。復元工事の主体は国(内閣府沖縄総合事務局)で、県は関連事業を担当。
出典:首里城公園公式
コロナからの経済再生 進行中
公約(2022):県経済・県民生活の再生。→ 観光はコロナ前の95%水準まで回復。県内総生産は2022年度実質+2.7%。一方、所得水準は下の「実現せず」欄のとおり横ばい。
非正規雇用対策 進行中(効果限定的)
公約(2022):非正規の処遇改善・正規雇用拡大。→ 非正規雇用割合は41.2%(2014年)→40.2%(2023年)と微減。なお最低賃金(762円→1,023円)は国の審議会の権限で、知事公約の成果としては数えられません。
出典:沖縄労働局資料PDF
未着手(1)
鉄軌道の導入 未着手(事業化)
公約(2018・2022):南北縦貫鉄軌道の導入。→ 8年でルート未決定・事業化未定。内閣府の令和6年度調査では費用便益比(B/C)が最高0.85と事業化基準の1を下回り、建設費は最大1兆円超。県は令和7年度も調査を継続中。※2026年公約でも「早期導入」を再掲。
実現せず(3)
辺野古新基地建設の阻止 実現せず
公約(2018・2022の中心公約):「辺野古に新基地を造らせない」。→ 県は設計変更不承認・訴訟等で対抗したが、2023年9月に最高裁で県敗訴が確定し、同年12月に国が史上初の代執行で承認。2025年11月には大浦湾側で土砂投入が始まり、工事は進行中(事業全体の進捗約17%・2026年3月見込み)。詳細は争点解説:辺野古移設。
県民所得の向上 実現せず(横ばい)
公約(2018・2022):県民所得の向上・「稼ぐ力」強化。→ 1人当たり県民所得は2018年度229.9万円→2022年度224.9万円(確定値の最新。コロナ期を含む)。全国最下位を継続。※2023年度以降の確定値公表後に更新します。
日米地位協定の抜本改定 実現せず(権限は国)
公約(2018・2022):抜本改定・米軍への国内法適用。→ 協定本体の改定は実現していない。改定の権限は日米両政府にあり、県は全国知事会(2018年提言)等と連携した要請活動を継続。2018年以降162地方議会が改定要求の意見書を可決。
数字で見る8年(客観データ)
待機児童数(人)
大幅減。ただし公約の「ゼロ」は未達(4月1日時点・2025年は速報値)
小中学生の困窮世帯割合(%)
低下傾向。ただし約5人に1人。調査設計の変更あり・単純比較には限界
1人当たり県民所得(万円)
ほぼ横ばい・全国最下位を継続(2022年度が最新確定値・コロナ期を含む)
入域観光客数(万人)
コロナ前の95%まで回復(2020年は374万人まで落ち込み)
| 指標 | 就任前後 | 直近 | 出所 |
|---|---|---|---|
| 小中学生の困窮世帯割合 | 29.9%(2015年度) | 21.8%(2024年度) | 県調査※調査設計の変更あり |
| 1人当たり県民所得 | 229.9万円(2018年度) | 224.9万円(2022年度・最新確定値) | 県民経済計算 |
| 入域観光客数 | 1,016万人(2019年) | 966万人(2024年) | 沖縄タイムス |
| 待機児童数(4月1日) | 2,591人(2015年度) | 171人(2025年・速報) | QAB・県資料 |
| 非正規雇用割合 | 41.2%(2014年) | 40.2%(2023年) | 沖縄労働局 |
※本ページの誤り・見落としの指摘はいつでも歓迎します:X(@shimanavi_org)DM または contact@shimanavi.org。訂正履歴を残して直します。未検証の公約(国際災害救援センター、トイレ洋式化・クーラー設置率、薬学部設置、消防防災ヘリ、ヘイトスピーチ条例など)は順次追加します。
島のカネは、島の記録に残る。