争点解説:辺野古移設
沖縄県知事選2026(投開票 9/13)の最大争点を、事実と一次資料で地図化します。シマナビは「移設の是非」に立場を取りません。各項目の数字は出典つきです。最終更新 2026-08-18。
30秒でわかる現在地
- 法的な争いは2023年に決着済み(最高裁で県敗訴→国が史上初の代執行で承認)。工事は進行中で、県知事に工事を止める法的手段は現時点でありません。
- 辺野古側(浅瀬)の埋め立ては約99.5%完了。一方、大浦湾側(軟弱地盤)の地盤改良は、砂杭 約9,500本/必要数 約7万1,000本=約13%(2026年6月末)。
- 総工費は防衛省試算で約9,300億円(2019年公表)。うち約6,483億円をすでに執行(2006〜2024年度)。防衛省自身が「変更があり得る」と国会答弁しています。
- 普天間の返還時期を、政府は「現段階で具体的に示すことは困難」としています。
- 両候補の立場は正反対:玉城氏「反対の民意を守り抜く」/古謝氏「現実的な解決策として容認し、移設を進める」。
経緯(要点のみ)
| 1996 | 日米が普天間飛行場の全面返還に合意(SACO)。返還は「代替施設の完成・運用可能後」が条件 |
|---|---|
| 2013 | 仲井眞知事が辺野古の埋立を承認(当時の埋立工期は5年) |
| 2018 | 辺野古側で土砂投入開始 |
| 2019 | 県民投票で埋立「反対」72.15%(投票率52.48%)。同年12月、防衛省が総工費9,300億円の新計画を公表 |
| 2021 | 玉城知事が設計変更申請を不承認 |
| 2023 | 9月、最高裁で県の敗訴確定。12月28日、国交相が知事に代わって承認(地方自治法上の代執行は史上初) |
| 2024 | 1月、大浦湾側の工事に着手。12月、地盤改良工事(砂杭打設)開始 |
| 2026 | 6月、新区域③-4で土砂投入開始。地盤改良は砂杭ベースで約13%(6月末) |
出典:防衛省報道発表「地盤改良工事の着手について」(令和6年12月27日・PDF)/沖縄県「辺野古新基地建設に係る問題点と沖縄県の考え」(令和7年8月・PDF)p.3/県民投票の結果は琉球新報 2019-02-25/砂杭進捗は琉球新報 2026-07-19
お金の話
- 当初:2013年の承認時、埋立工事費の見積は約2,400億円でした(琉球新報)。
- 現在の政府試算:約9,300億円(2019年12月25日、防衛省公表。内訳:埋立工費7,225億円+飛行場整備費625億円+環境対策経費700億円など。琉球新報 2019-12-25)。防衛省は国会で「今後の検討等によっては変更があり得る」と答弁しています(中谷防衛相・2025年2月5日衆院予算委、県資料p.12)。
- すでに使った額:2006〜2024年度の執行額は約6,483億円=現試算の約7割(防衛省回答・沖縄タイムス)。2025年度末までに総事業費の約81%(7,543億円)を支出見込みとする報道もあります(県資料p.12の引用)。
- より高い試算も存在:沖縄県は2018年に総額約2兆5,500億円と試算(琉球新報)、沖縄タイムスの独自試算は約1兆2,000億円超(同紙)。どれが正しいかは確定していません。
いつ終わるのか
- 沖縄防衛局の想定:2024年1月起点で工事完了まで約9年3カ月(2033年ごろ)、うち地盤改良は約4年(しんぶん赤旗 2026-02-14)。
- 普天間返還(移設完了)は2030年代半ば以降の見通し(日本経済新聞 2023-10)。木原防衛相(当時)は「具体的な返還時期は現段階で示すことは困難」(県資料p.3)。
- 在沖米軍幹部は2023年11月、報道機関向けに「完成は早くて2037年、それまで普天間は維持」と発言(県資料p.14)。
- 地盤改良の進捗は2026年6月末で約13%。現行ペースでは大幅に遅れるとの指摘があります(琉球新報)。
軟弱地盤——国と県で見解が食い違う点
大浦湾側の海底に軟弱地盤が広がっており、最深部(B-27地点)は海面下90mに達します。地盤改良(砂杭 約7万1,000本の打設)は海面下70mまでで、約20mの未改良部分が残ります。ここまでは両者に争いのない事実です(防衛省資料p.4/県資料p.8)。
国(防衛省)の立場
70mより深い粘性土は基準上改良不要でも安定性を確保できると技術検討会で確認済み。工法は羽田空港・関西空港・那覇空港でも実績がある。(防衛省報道発表 2024-12-27)
県の立場
この深さの砂杭打設は前例がない(国内最高実績は水深65m)。最深部B-27地点で力学的試験が行われていない。不同沈下や付近の断層への懸念を専門家が指摘。(県資料p.8)
両候補は何と言っているか
玉城デニー氏(現職)
反対。8月12日の基本政策発表で「反対の民意を守り抜く」。「(代替施設が)いつできるのか、いくらかかるのかを政府は明言できない」とも述べ、移設と切り離した普天間の運用停止を国に求める方針。(時事通信 2026-08-12/沖縄タイムス)
古謝玄太氏(前那覇市副市長)
容認。8月14日の政策発表で「一刻も早い危険性除去のため、現実的な解決策として辺野古移設を容認し、移設を進める」。(沖縄タイムス 2026-08-14/時事通信)
県民はどう考えてきたか
- 2019年県民投票:埋立反対72.15%(43万4,273票)・賛成19.10%・どちらでもない8.75%。投票率52.48%(琉球新報)。
- 琉球新報社等の県民世論調査(2023年1月公表):新基地建設「反対」64.1%・「賛成」21.2%。ただし30代のみ賛成が53.3%と過半数、70代は反対81.1%と、世代で大きく割れています(琉球新報)。
確定していること/決着していない論点
事実として確定していること
- 法的手続きは完了しており、工事は進行中。県知事に工事を止める法的手段は現時点でない
- 辺野古側の埋立はほぼ完了(99.5%)、大浦湾側の地盤改良は約13%(2026年6月末・砂杭ベース)
- 執行済みの費用は約6,483億円(2006〜2024年度)で、現試算9,300億円の約7割
- 政府は普天間の具体的な返還時期を示せていない
まだ決着していない論点
- 最終的な総費用(政府9,300億円/沖縄タイムス試算1.2兆円超/県試算2.55兆円)
- 完成と普天間返還の時期(防衛局想定2033年ごろ工事完了/米軍幹部「早くて2037年」/進捗ペースからの遅延指摘)
- 軟弱地盤の技術評価(上記の国と県の食い違い)
- 完成後も米側が普天間を維持する可能性(QAB 2026-02-24)
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立場は取りません。決めるのは、あなた。